前回の記事(「理想の暮らしと今のおうちのギャップが大きいとき、どう考える?」) では、おうちはすぐには変えられなくても、「暮らし=時間の使い方」を変えることはできる、とお伝えしました。
とはいえやっぱり、「理想の暮らし」だけではなく「理想のおうち」だって叶えたいですよね。
たとえば、畳のお部屋でフランス宮廷のようなロココ調のインテリアはやっぱり無理?
でも、それだって不可能ではないのです。
理想をあきらめないことこそが、もっと素敵でもっと大好きなおうちを作れる原動力になるのですから。
この記事では、理想のおうちをあきらめないでほしい理由をお伝えします。
六畳一間の和室でも、ゴージャスで優美なお部屋にできる
今のおうちと理想のおうちにギャップがあっても、自分の努力と工夫次第で、大好きなおうちに作り替えられる。
それをこんまりさんに教えてくれたのは、こんまりさんの尊敬する人の一人である美輪明宏さんの一冊『美輪明宏のおしゃれ大図鑑』(集英社)。
この本の中では美輪さんが若い頃にお住まいだった六畳一間の和室のインテリアが紹介されているのですが、これがとても素晴らしいのです。
畳の床には段ボールに布を貼ったものをまるで絨毯のように敷き詰め、「ふすま」には一松模様の布をはり、その上には女優さんの写真をセンスよくディスプレイ。
窓にはお部屋の雰囲気にぴったりなピンク色の布をカーテンにして、主張の強いタンスやレコードプレイヤーは、ピンクのペンキに塗り替えられたり、リボンの装飾をまとったり。
そのお部屋の様子が描かれたイラストは、とても六畳一間の和室とは思えないほどゴージャスで優美でした。
「美しく、おしゃれな部屋にすんでください。
無理に引っ越したり、お金をかける必要はありません。
今住んでいるあなたの部屋を、知恵と工夫でつくり替えてしまえば良いのです。」
こんまりさんは、理想のおうちを諦めそうになった時に、この本の言葉に何度も励まされたそうです。
こんまりが思う、素敵なおうちの共通点とは
たくさんの人の暮らしをみてきたこんまりさんは、「部屋」と「住む人の雰囲気」はほぼ一致していることに気がつきました。
素敵だなあと思える人が住むお家の共通点は、決してお部屋の広さや家具の豪華さではなかったのです。
小さな収納家具一つとっても納得いくまで探したり作り替えたり、こまめにお手入れをしたり。
こうしたちょっと面倒な作業や根気を支えているのは、「こんなおうちに住みたい!」という一種の欲なのです。
理想のおうちをあきらめない気合いが、結局、おうちに対するこだわりや愛情を生んでいるのです。
「理想のお家」を低く見積もるのはナンセンス
だから、「理想のおうち」をけっしてあきらめないでください。
「理想のおうちと暮らし」を思い浮かべるときに遠慮は不要。
思う存分、素敵なおうちの写真を集めて、あなたの心が本当にときめくお家を思い描いてください。
また、素敵なお家と自分のお家を比較するのもやめましょう。
「羨ましいな」とか「私なんかどうせ、、、」という気持ちになってしまったときは、生活感のないホテルの写真や、外国の住まいのインテリア特集を見るのがおすすめです。
突き抜けた理想を見た方が、心がときめき、まっすぐに理想に向かっていけるからです。
大丈夫。自分の工夫と努力次第で、今のおうちはもっともっと素敵になるのです。