片づけの目的は、部屋をきれいに整えることだけではありません。
片づけの本当の目的は、片づいたお部屋で、人生の問題に「片を付ける」ことです。
「子どもの頃からの夢に気づいて、会社をやめて起業しちゃいました」
「自分に自信がもてるようになったら、人間関係がとっても良くなりました」
「なぜか5キロ痩せて、着てみたかった服装にどんどんチャレンジしています」
これらは、片づけを終えた方々から、毎日のように寄せられる声の一例です。
この記事では、片づけられないことに悩んでいた人たちに、片づけを終えた後に訪れた人生の変化をご紹介します。
※この記事でご紹介する事例は、近藤麻理恵の著書『人生がときめく片づけの魔法』からの引用となります。
片づけには「恋愛に片をつける」効果がある
「片づけてどんな部屋にしたいですか?」と質問すると、なぜか多い回答のひとつが「結婚できる部屋にしたいです!」というもの。
片づけ下手を克服することで自信がついて恋に積極的になる方もいれば、部屋が片づいたことで、彼が惚れ直してプロポーズされたり。
はたまた今の相手にときめいていないことに気づいて、お別れを選択するケースもあります。
どちらの方向に行くかはともかく、片づけには「恋愛に片をつける」という効果があるようです。
そして、これまで多くの方のお話しをお聞きしたところ、付き合っている人との関係にモヤモヤしている人に共通して「未処理の書類が多い」という特徴があることが分かりました。
例えば、同じ会社の先輩と付き合って3年になるNさん。
彼とこのまま付き合っていくべきか迷っていたNさんのお部屋も、未処理の書類で溢れかえっていました。
「いつか解約するつもりの通帳」
「引っ越しの時に届け出るべき住所変更手続きの書類」
「いつか見ようと切り抜いたレシピの切り抜き」
他にもたくさんの「未処理の書類」が、Nさんの部屋のいたるところに散らかっていました。
これら未処理の書類を一つずつ片づけたNさんは、彼とのモヤモヤとした関係にも目をそらすことが出来なくなって、いったん距離を置くことになったそうです。
しばらくして、Nさんは、なんと彼から正式にプロポーズをされたそうです。
そして、Nさんは彼からのプロポーズに、穏やかな気持ちで「はい」と答えました。
「片づけ以前のモヤモヤしていた私だったら、すぐに答えを出せなかったと思います」とNさんは言います。
片づけを通して自分の気持ちを整理できたことで結婚に結びついたと、幸せいっぱいの笑顔で話してくれたそうです。
こんまりも片づけで人生が変わった一人
実は、片づけコンサルタントのこんまりこと近藤麻理恵も、片づけによって人生が変わった一人なのです。
それは、中学生の時にこんまりさんが手に取った一冊の本がきっかけでした。
その本には「捨てる」ことの大切さが書いてありました。
それを読んで早速「捨てる」ことを実践してみたところ、
当時の5畳半の部屋からでてきたのは、なんとゴミ袋8袋以上のゴミの山。
「今までどうして、こんなにいらないモノをためこんでいたのだろう」
ゴミ袋の山が積まれた部屋の真ん中で、一時間くらい動けずにいたそうです。
それからこんまりさんは、モノと真剣に向き合うことを始め、人生にも真剣に向き合い始めました。
理想の暮らしとは何かを一つずつ明確にして、その実現に時間と情熱を注ぎ、今では世界中に片づけの魔法を伝えるようになりました。
物事を「ときめき」で選択する力が、人生を変える
片づけをすることで、モノだけではなく自分の人生においても、「何を残すのか、手放すのか」はっきりと選べるようになります。
正しい方法で片づけを進めるうちに、モノを残すか捨てるか「ときめき」で判断する経験を、繰り返し繰り返し積み重ねることになります。
そうして磨かれた、ときめきで物事を判断する力によって、人生でも自分にとって本当に大切なことを自然と選べるようになるのです。
その結果、人生がときめいていく。
それこそが、“片づけの魔法”であり、片づけをする本当の目的なのです。
次章では、片づけのマインドについて詳しく解説していきます。