「サイズが少し合わないけど、デザインが気に入っていて捨てられない…」
「両親に買ってもらったものだから捨てるのは悪いな」
など、ときめかないことはわかっているのに、心苦しくて捨てるのを躊躇してしまうことはありませんか?
そんな時に、「捨てるのはもったいないから、家族にあげてしまおう」という方は案外多いものです。
一見モノを大切にしていて、家族思いにも見えるこの行為ですが、自分がいらないモノを家族にあげることには実はデメリットもあるのです。
この記事では、自分のモノを家族にあげることによる2つのデメリットと、家族にいらないモノを押し付けてしまわないためのポイントをご紹介します。
家族にモノをあげるときの参考にしてくださいね!
「ときめかない」洋服に囲まれたKさんの体験談
実はこんまりさんも、過去には自分が捨てられない服を妹に「プレゼント」していたといいます。だって、モノ自体は悪くないものだし、服は一着でも多い方が嬉しいはず‥‥。
でも、そんな考えがまったくの勘違いだったことに
片づけコンサルタントとしてKさんの洋服の片づけレッスンをしていて
気づくことになります。
Kさんが持っていた洋服の量は、クローゼット1個分と平均程度の量でしたが、残す洋服の量が妙に少ないのです。
「ときめきますか?」の問いの答えは、たいてい「ときめきません」。
そして、その洋服を処分できたことにホッとした様子だったのです。
そこで、改めて見てみると、「ときめかない」と答えた服はタイトなシルエットの女性らしい服ばかり。
逆に、「ときめきます」と残すことを決めた服は、Tシャツなどのカジュアルな洋服ばかりと、そのテイストの違いに気が付きました。
Kさんのお話をよく聞いてみたところ、「ときめかない」洋服のほとんどは、お姉さんからのおさがりだったそうです。
そしてすべての洋服を選び終わって、Kさんは最後にポロリとつぶやきました。
「今まで、こんなに好きじゃないモノに囲まれていたんだな」
家族にもらったモノは捨てにくい
自分のモノを家族にあげるときのデメリットの1つ目は、相手に「家族からもらったモノだから捨てられない」と思わせてしまうことです。
捨てにくいという理由で、本当に自分が気に入ったモノではないモノに埋め尽くされてしまうのは、悲しいことだと思いませんか?
自分の捨てられないモノを家族にあげることで、もしかしたら自分がモノを捨てる罪悪感を相手に押し付けてしまっているだけかもしれません。
実は、こんまりさんも、昔は妹に服をあげるときに「新しいデザインだし可愛い服だけど、あなたがいらないなら捨てちゃうね」となぜか脅すような言い方で決断を迫っていたそうです。
その後、片づけコンサルタントになってからKさんのような方を見て「ああ、控え目な妹は、『じゃあ、もらうよ』と言うしかなかったんだ」と、ハッとしたそうです。
家族にモノをあげると「ときめき」が育ちにくい
2つ目のデメリットは、家族が「ときめきを基準にモノを選ぶ力が育ちにくい」ことです。
常に家族からもらったモノで溢れていたら、買い物に行く機会がありませんよね。買い物に行ってモノを選ぶ機会が減るので、自分が何にときめくか判断しづらいのです。
「おさがり」という風習自体は、モノを大切にする素晴らしい文化です。
自分が活用できないモノを身近な人が喜んで使ってくれるのなら、とっても嬉しいことです。
ですが、いらないモノを押し付けてしまわないように、家族へのモノのあげ方には、ちょっとした工夫が必要なのです。
家族にモノをあげるときのちょっとした工夫とは?
最後に、家族が喜ぶモノだけをあげるための、ちょっとした工夫をご紹介します。
まず、あらかじめ家族のほしいタイプのモノを聞いておいて、条件にぴったりはまったモノだけを見せるようにしましょう。
そして、「これ本当にときめく?」と相手に考える機会を作ってあげられたら、パーフェクト!
大切な家族にも、余計なモノを抱え込ませず、ときめくモノに囲まれた暮らしを楽しんでもらうために気づかいも大切なのです。