「まずは『捨てる』を終わらせる」
これはこんまり®︎流片づけの鉄則の一つ。
収納のことを考える前に、残すモノと手放すモノを選び切ることに集中することが大切なのです。
片づけ祭りを実行した方なら実感済みかと思いますが、
最初は捨てることにためらいを感じた方も、いったん捨てることに勢いがつき始めると、捨てること自体にしだいに快感を覚えるようになってきます。
じつはこれが要注意の危険信号。
快感だからといって「捨てるマシーン」になってしまっては、あなたを幸せにする片づけではなくなってしまいます。
この記事では、人生をときめかせる片づけのために大切な「理想の暮らしを考えること」、そして「理想の暮らしを思いつかない」方へのアドバイスを、
近藤麻理恵著『人生がときめく片づけの魔法 改訂版』『人生がときめく片づけの魔法2 改訂版』より抜粋してご紹介します。
モノを捨てるだけの片づけでは人生はときめかない
片づけをしているうちにモノを捨てることが快感になってきて、「もっと捨てられるモノはないか」捨てるモノを探してはいませんか?
実はこれは、かつて「捨てるマシーン」だったというこんまりさんも陥った罠。
いくら捨てても家も部屋もどうもスッキリしないばかりか、なぜかストレスばかりたまって、また一気に買い物をしてモノが増えてしまう。
「何か捨てられるモノはないか」「余計なモノはないか」と「邪魔者」探しに神経をすり減らし、家にいてもいつも気が休まらず、自分のモノをまるで敵のように思ってしまうようになりました。
この経験からこんまりさんが悟ったのは、片づけで選ぶべきなのは「捨てるモノ」ではなく「残すモノ」だということ。
モノを捨てるだけではけっして人生はときめきません。
大事なのは捨てることではなく、片づけの結果、ときめくモノをちゃんと残すこと。
ときめくモノが何にも残っていない、がらんどうになった部屋で暮らすのは、楽しいでしょうか?
ときめくモノに囲まれた生活を送ることこそが、本来目指すべき片づけのゴールなのです。
自分を幸せにしてくれるモノを選ぶために「理想の暮らし」が大切
片づけで選ぶのは、捨てるモノではなく残すモノ。
だから、片づけ祭りの最初に「理想の暮らしを考える」ことが大切なのです。
理想の暮らしが思い描けているからこそ、モノを触ったときにときめくかどうか、つまり「自分を幸せにしてくれるモノかどうか」判断ができるようになるのです。
理想の暮らしを描くときは、ぜひ制限をつけないでください。
「家具や寝具はすべて真っ白にして、クリーンなイメージのおうちにしたい」
「壁には絵画が飾ってあって、ゴージャスな雰囲気を味わいたい」
「観葉植物をたくさん置いて、森の中で暮らしているような部屋にしたい」
理想はあくまで理想なのですから、遠慮は無用。
現実的に考えて妥協した目標を見るよりも、
純粋に「こうなったらいいな」と思える、突き抜けた理想をみた方が、まっすぐに理想に向かっていけるものなのです。
理想の暮らしを思いつかないときは、「理想の一枚」から考える
そうはいっても、「自分の理想の暮らしが思いつきません」という方もいらっしゃるはず。
そういう方にこんまりさんがおすすめするのが、「自分の理想の一枚」探し。
頭の中でイメージするだけでもいいのですが、「まさにこんなお部屋で暮らしたい!」と思えるような写真を一枚持っているだけで、片づけのモチベーションがまったく変わってきます。
ここで重要なのが、片づけ祭りと同様に、「一気に、短期に、完璧に」探すこと。
「そのうちいい写真に出会ったらそれを理想の一枚にしよう」なんて悠長に考えていると、一生理想の一枚には出会えません。
コツは、たくさんのインテリア雑誌などをみて、いっぺんにいろんな写真を見比べてみること。
「昨日はあの雑誌を見たから、今日はこの雑誌を見てみよう」なんてペースでやっていると、毎日ころころと気が変わり、自分がどんな暮らしをしたいのかわかりにくくなります。
というのも、雑誌に載っているようなお部屋はみんな素敵なお部屋なので、「やっぱり日本人は和室だよね」と思った翌日には「アジアンリゾート風もいいかも‥」というように、気分によって目移りしてしまうのです。
一気にさまざまなお部屋をみていくことで、
「全体的に白っぽい部屋に反応しているみたい」とか
「テイストというより、観葉植物が置いてあることがポイントなんだな」というふうに、
自分のピンとくるポイントが明確になり、理想の暮らしがクリアになっていきます。
図書館や書店でインテリア雑誌を集めても、もちろんウェブサイトやSNSでも。
理想の一枚と出合えたら、手帳に貼ったり、デスクに飾ったりして、いつでも見られるようにしておくのがおすすめです。
(参考書籍:近藤麻理恵著『人生がときめく片づけの魔法 改訂版』・『人生がときめく片づけの魔法2 改訂版』)